トップページ >> ココニイルコト >> 映画的ココニイルコト
ココニイルコト −movie−  長澤雅彦監督 真中瞳さん主演
 
この映画は、私が同じ映画を見るために、何度も劇場に足を運ぶきっかけとなった映画です。それまでは、1度映画館で見て、面白ければビデオでまた見ればいいや、と思っていましたが、やはり映画館でなければ、伝わらないものがあるような気がしています。この映画は結局7回も見に行ってしまいました。
 
「ココニイルコト」はもともとスガシカオさんの曲で、この映画を知る前からその曲は知っていました。同名の映画がある、と知ってすぐに劇場にでかけましたが、大好きな曲が、こんなにいい映画に巡り合わせてくれた偶然に感謝しています。
 
広告代理店勤務、という自分に少しだけ近い設定だったのも、この作品を好きになった理由の1つかもしれませんが、それ以上に、この映画を通して「自分らしさ」というものを改めて考えさせられました。
 
ともすると、流されて生きていく方が楽に思えて、まわりに倣って日々過ごしてしまいがちになりますが、頑張りすぎることなく、ちゃんと自分らしさを大切にしながら生きていくこと。それを、許容してくれる暖かい作品になっています。
 
走り続けることもいいことですが、何かにつまづいたり、迷ったりしたときには、ぜひ見て欲しいと思います。
 
この映画の原作は、絶対音感の著書で有名な最相葉月さんの「なんといふ空」の中に収められている「大阪君のこと」。
 
1,200文字足らずのエッセイからこの映画が作り出されたのは、本当に不思議な感じがしますが、大阪君と堺雅人さん演じる「前野悦郎」くんも、かなりマッチしています。映画のあとには、こちらもみなさんにぜひ触れてもらいたい1冊です。